投稿日:2005-09-29 Thu
水曜日。基本的に我々の職場では「早く帰宅することが奨励されている日」。
と言っても、水曜日だからと言って早く帰れる保証は全くもってないのですが、他の日よりはだいぶ帰りやすい空気があるのは確か。
というわけで、そういう日にはカバンに常時忍ばせているクラシック情報誌「ぶらあぼ」(無料!)を朝の電車の中なんかで開いて、その日に行われるコンサートの情報をチェックしておきます。
そして、上手いこと18時より前くらいに脱出できそうな段取りになったら、「問い合わせ電話番号」にTELして当日券の有無を確認するのみ!
基本的に数ヶ月前から「これだけは絶対に行く!」って感じで購入して行くのは主に休みの日。仕事のある日は、ムダにしたらもったいないので、当日券狙いです。
そして、今日もまた、狙っていた公演があったのですが・・・
仕事を抜け出せなかった・・・(泣)
しかも自分の仕事が溜ったわけでも会議などがあったわけでもなく、半分「待機」的な残業。
くそー。
まーウチは本来、ある程度合理的な理由がない限り、仕事さえ片付いていれば、ほとんど全員残業してても、帰って構わないんですけどね。
でも今日は正直、「帰ったらマズイ合理的な理由があった」んで、これはまあ、給与所得者としては、いたし方ない。
というわけで夢物語と化した演奏会通いでありました。
ちなみに行きたかった公演
古典四重奏団 バルトーク弦楽四重奏全曲演奏会その1
バルトークについては、コチラを参照
バルトークの6曲ある弦楽四重奏曲(全てがすさまじい緊張感と熱気に包まれた名曲!)を2晩で3曲ずつ演奏するコンサート。
第2弾が10月12日(水)にあり、その頃はきっと仕事はかなりヒマになってると予想されるので、そっちに再チャレンジします。
この古典四重奏団は、自分は楽団のメルマガにも加入しているくらい、結構なファンです。サインも持ってたりします。
この四重奏団のすごい所の1つは、
「どの曲も全て暗譜で弾く」
こと。
モーツァルトならイザ知らず、バルトークでそれをやってしまうなんて!
というわけで、今晩、壮絶な演奏が第一生命ホール(我々、リベルテが11月5日にコンサートやるのと同じ会場!)で繰り広げられた可能性は大きいです。
いま、悔し紛れに聴いているバルトーク/弦楽四重奏曲のCD。
この曲集については4種類のCDを持っています。
スコアも欲しいのですが、ポケットでも輸入だと全部で最低1万円はするので、もうちっと資金力のある時に購入しますです・・・。
※Amazonのサイトは下記商品のほとんどが「在庫切れ」なのでリンクは付けません。
タワレコやHMVでは以前はしょっちゅう見かけたCDばかりなので、さほど入手困難とは思えません。おまけに割と安価のはず(特にケラーとアルバン・ベルクは2枚組1000円くらい!ではないかと)。
◎ケラーSQ(String Quartet)(仏ERATO)
鋭さ(現代性)と熱さ(ハンガリー性?)のバランスが一番良いと思う演奏。
○ジュリアードSQ 旧盤1963年(SONY)
鋭さ(現代性)が圧倒している演奏ですが、これはこれでスゴイ!圧倒されます。
△ジュリアードSQ 新盤1981年(SONY)
上記から20年後くらいの演奏。いくぶんどころか、相当露骨に音がヤワになっている。しかし本来、こちらの方がバランスは良いような気も。でも、それならケラーの方が自分は好き。
△アルバン・ベルクSQ(EMI)
彼らはどんな音楽を演奏しても、その作曲家に歩み寄ることがなく、自分たちの音楽にしてしまう。名を冠するだけあって、ベルクとか、あとモーツァルト・シューベルトなんかだと結構それなりに美しい音楽になってるけど、基本的にカドが取れた感じの演奏をする彼らの音は、元々バルトーク向きではないと(個人的には)思います。
※他にはライブでハーゲンSQなどの演奏を聴いたことがあります(ハーゲンは4番)。これはジュリアードSQに音のふくよかさを加えつつも、より高速でスタイリッシュな演奏になっていると思いました。
バルトークの音楽はどれも、格好いいですね。
オケ曲・ピアノ曲もそうですが自分はここ3年くらい、バルトークと言えば、「弦楽四重奏曲」6つと、「無伴奏ヴァイオリンソナタ」と「ヴァイオリン協奏曲第2番」、ほとんどそれしか聴いておりません。まーあとは「弦チェレ」とか「青ひげ公」も好きですけど。
弦楽四重奏曲はどれも良いのですが、一番とっつきやすいのは、3・4番でしょうか。完成度が高いのは、おそらく4番ですかね?
ソリッドな感じの音は、ジャズとかロック好きの人にもオススメできると思います。
超複雑で激しいリズム、無調に近いものからハンガリーの民俗音楽的なフレーズまで聴こえる和声感覚、複雑に絡み合う対位法的かけ合い。
そんなバルトークはハンガリー人。
ハンガリーってのはヨーロッパの飛び地と言われる所で、アジア系マジャール人の国です(と言っても現在では混血が進んで、ヨーロッパ系の顔つきになっていますが)。
バルトークはハンガリーやルーマニアなどの民俗音楽を収集したことは、割とよく知られてますよね。
しかし、彼はそれをそのまま曲にするようなことをせず、リズムだとか和声だとかの構成要素の1つとして取り扱ったに過ぎないんですね。あくまで先鋭的な感覚を持った国際的な作曲家だったのです。
彼の音楽は、シンメトリーな構成だの黄金分割だの、そういう知的分析を加えることで、さらにすさまじい完成度を持った曲であることを知ることができるようです。
とりあえず、勉強するしかないですね。だって、今の自分にゃ、まだそこまでわからないもの・・・。
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