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タテラッツィ

  • author: タテラッツィ
  • 観たもの触れたもの、マンドリン音楽活動などについて、書いていきます。

    【告知】
    マンドリンオーケストラ“未完成』第11回演奏会
    2011年2月27日(日)浜離宮朝日ホール音楽ホール
    13時30分開場、14時開演
    シューベルト「未完成」、クルト・ヴァイル「小さな三文音楽」ほか。
    入場無料です。

    リベルテマンドリンアンサンブル2枚目のCD発売中!
    マンドリンオーケストラ編曲の最高峰と、新たな世界を切り拓いた委嘱作品を収録。

    指揮:中川賢一(Ken'ichi Nakagawa)
    マンドリン独奏:望月豪(Go Mochizuki)
    演奏:リベルテ マンドリン アンサンブル
       リベルテ マンドリン オーケストラ

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    エレニの旅
    今日は先日紹介した「打ち水大作戦2005」の決行日でしたが、どうだったのでしょう?
    ワタクシの職場近くはその時間帯、雨でしたが・・・。

    夏休み(学生)+お盆休み(社会人)で、電車がずいぶん空いていることがとてもウレシイ今日この頃です。寂しい夏だ・・・。

    今日は酒の呑めない飲み会・・・。
    食べ物が全部食べられない飲み会・・・・・。

    まだノドを縫った糸が残っているのだそうで、ドクターストップ中なんです。

    でも、クルマの時も酒は呑めないし、人が呑んでる前でウーロン茶飲んでることには、もう慣れっこっす。

    今年に入って、ざっくり言って15~20回くらいは酒呑む席に参加してますが、そのうち実際に自分がアルコールを口に含んだのは、4~5回ではないかと。
    今年、ワタクシが酒呑んでる姿を見た人には、きっと神々の祝福があります!なんて(アホかっ)。

    今日は映画のレビュー

    エレニの旅★★★★★

    テオ・アンゲロプロス監督作品(ギリシャ映画)

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    wallpaper04.jpg


    【見どころ】
    「永遠と1日」のギリシャの巨匠、テオ・アンゲロプロス監督の最新作。1919年から1940年代にかけて激動の運命をたどる女性の愛と喪失の物語を荘厳な映像美で紡ぎ出す。


    【ストーリー】
    革命の勃発でロシアから祖国ギリシャに戻り、村を築く難民たち。一方、孤児エレニは恋人アレクシスと駆け落ちし、かつて自分が産んだ双子と再会する。やがてエレニらは村に帰ってくるが、思わぬ災害が彼らを襲う。


    スゴイです、すごすぎる。
    完璧な映画。文句なしに5点満点。

    自分のお気に入り映画監督と言えば、

    クシシュトフ・キェシロフスキ(ポーランド)を筆頭に、

    フランソワ・トリュフォー(フランス)
    アキ・カウリスマキ(フィンランド)
    ビクトル・エリセ(スペイン)
    レオス・カラックス(フランス)
    アッバース・キアロスタミ(イラン)
    ヴィム・ヴェンダース(ドイツ)

    といったあたりでしたが、テオ・アンゲロブロスは十分にこの中に入ってきそうです。いや、いきなり自分にとっての神様キェシロフスキに肉薄するくらいかもしれない。

    映像・音楽・ストーリー・人物描写・社会風刺・哲学、全てが見事にハマっています。
    それでいて、個人的に映画で最も重要だと思っている要素の1つである活劇性まで備えています。

    そう、これは非常に静的な映画でありながらも、ある面においてはオペラやミュージカルみたいな作品。
    主人公の男性が廃屋の中で待っていると、どこからともなく周囲から楽器の音が聴こえてきて、楽器奏者たちが集まり、彼の周りで楽器を弾く。そんなシーンはまるで「ウエストサイドストーリー」か「サウンドオブミュージック」。

    それでいて画面の1つ1つが美術品であるかのように美しい。
    動画でありながら、1つ1つの画面を一時停止したとしても、全て美術館に飾れるほど、計算しつくされたカメラワークと舞台セット。

    水没した村のリアルさにも驚く。
    それもそのはず、この映画の素晴らしい映像は、一切CGに頼らずに広大な村を実際に手作りで作り上げ、スタッフに住まわせていたというのだから。

    登場人物はアコーディオン弾きの主役級の男性をはじめ、バンドマンがたくさん登場する。
    バンドと言っても弾く楽器はエレキギターなどではない。
    フルート、マンドリンに似たギリシャの弦楽器(名前忘れた!)、サックス、クラシックギターなど。
    アコースティックなバンド。昔のヨーロッパで居酒屋などで演奏していたジプシーなどを想像する姿だが、実は1930年代のギリシャにおいて、音楽家であるということ、それ自体が左翼的だというので、逮捕される対象となったのだとか。
    恐らく質実剛健を旨とする右派社会の中で、パンも銃も生産しない仕事に従事していること自体が反政府的であると考えられたのでしょう。
    そんな背景については、映画を観終わった後で知ったのですが、もちろん知らなくても何の問題もなく筋を追いかけることは可能です。

    そして話の中身。

    メッセージが鮮烈。その悲劇の振幅の激しさに圧倒されます。
    そう言えば、ギリシャといったらギリシャ悲劇で知られるお国でした。

    不幸な女性エレニ(それはギリシャという国家を表す名詞でもある)は苦難の歴史である20世紀前半のギリシャ史の真っ只中で翻弄され続けます。

    一方でこの映画の場面1つ1つはまるで「詩」のように散文的で美しい。論理ではなく感性にじかに訴えかけてくる。それはアンゲロプロスが示した巧みなカメラワークによる俯瞰的視点によって生産される亜空間である。これはだからこの作品は実に映画的なのだ。リアルな現実を切り取るのではなく、あくまで映像詩人というスタンス。

    それだけならば、例えばタルコフスキーなどに観られるように、形而上的な思索・イメージに覆われた抒情詩的な作品ということになる。
    でも、アンゲロプロスがそういう手法を取りつつも最後の表出させたメッセージはそうではなかった。これはあくまで叙事詩なのだと私は思った。

    この作品を第1作として、全3部作による20世紀のギリシャを総括した壮大な映画をアンゲロプロスは構想しているといいます。
    そしてそれは数年前に亡くなった彼の母の記憶につながる世界でもあるので。
    エレニの生きた世界は、アンゲロプロス監督の母の生きた世界でもあったのですね。

    創作家はある程度功を成し遂げた後になって、自分自身のアイデンティティを語り始めるということがよくあります。
    そして、自分が知る限りでは、そうした時期の作品というのは、その創作家の全盛期であり、最高傑作が生まれる素地ができあがっているような気がします。

    あんまり良い例えじゃないですが、スピルバーグにとっての「シンドラーのリスト」みたいな、って感じでしょうか?

    もっともアンゲロプロスの他の作品を観てもいない現段階でそれを決め付けるのは早計も早計。

    次の入院の前にアンゲロプロスのDVDボックス買って、持ち込もうかなー。でも、本当は彼の映画は映画館の大スクリーンで観るべき映画なんだと思います。あとかなり長い(この映画は170分)ので、「一時停止」などで「思考停止」する余裕を与えないように、っていう点でも映画館で観るのが本当は良いと思います。

    どっかで「アンゲロプロス映画祭」やりませんかねー。

    とにかく、こういう映画がある限り、自分は映画を観ることは辞められませんですよ。






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    映画 | 00:20:14| Trackback(0)| Comments(2)
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